肌について学ぼう③~肌を老化させる要因~

2022年5月12日

皮膚の老化を促進させるといわれている要因は大きくわけて3つあり、外からの刺激の外的要因、食生活など体の内側からくる内的要因、ストレスなどからくる精神的要因があります。

本来であれば刺激に対して防御できる皮膚も、様々な影響により防御力が低下し肌の劣化を促進させてしまいます。

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肌を劣化させてしまう要因について学びましょう。

外的要因

主に外的要因は3つあります。

  • 乾燥
  • 酸化
  • 紫外線

外的要因~乾燥~

「乾燥が肌を劣化させる」と言っても過言ではないほど大きな要因。肌が乾燥すると角質層が乱れごわつきます。ターンオーバーも乱れ、小じわの原因にもなります。さらに乾燥が進むと真皮の構造も乱れ、しわが深くなり肌の弾力も低下していきます。

また、肌の水分量が少ないことで光の反射が低下し、くすんで見えます。

外的要因~酸化~

「酸化」とは鉄がさびたり、りんごが茶色くなったりする状態のことです。フリーラジカルの影響で皮脂が酸化すると過酸化脂質となりニキビの原因になります。

また、真皮のコラーゲン繊維が活性酸素の影響を受けることでハリ・弾力が低下します。

フリーラジカル

ペアで2つあるべき電子が1つしかない分子や原子のことで、ペアをつくるために他の分子から電子を奪ってしまいます。大気汚染や紫外線などの影響で増えてきています。電子を奪い取られた分子は「酸化」してしまいます。

活性酸素

酸素が体内で変質してフリーラジカルとなったもの。

・・・活性酸素が増える要因・・・

ストレス

大気汚染

紫外線

喫煙

食生活(食品添加物や酸化した油など)

もちろん体は活性酸素に対してなんの防御もしないわけではありません。活性酸素除去酵素(SOD)を出し、活性酸素から体を守っています。SODは細胞のミトコンドリア内に存在しています。※SOD=Superoxide Dismutase

また、代表的な抗酸化物質としてビタミンA・ビタミンC、E・カロテノイド・ポリフェノールがあります。

外的要因~紫外線~

紫外線が肌に与える影響も大きく、米国皮膚科学会では老化の約80%は紫外線が原因と言われています。紫外線はシミやそばかすの原因だけではなく、真皮層まで到達しコラーゲンやエラスチンにも影響を与えます。

内的要因

内的要因は4つあります。

  • 加齢
  • 食事
  • 代謝不良
  • ホルモンの乱れ

内的要因~加齢~

20代を過ぎると細胞の働きが徐々に低下し、それによって皮膚も老化が始まります。

  • 表皮・・・細胞間脂質やNMFが減少することで肌のバリア機能や水分保持能力が低下
  • 真皮・・・線維芽細胞の働きが弱まり、ヒアルロン酸・コラーゲン・エラスチンが減少することでハリや弾力が低下
  • 身体・・・活性酸素除去酵素(SOD)の減少

内的要因~食事~

不規則で偏った食事は、体の健康状態が崩れ免疫が落ち肌にも悪影響を与えます。

・良質なたんぱく質・食物繊維・ミネラル・ビタミンをバランスよく摂取することが大事です。

内的要因~代謝不良

血管壁はたんぱく質のコラーゲン繊維などでできています。そのため血管壁が硬くもろくなってくると血行が悪くなり、肌に必要な栄養が運ばれずハリや弾力の低下につながります。

また、筋肉の低下も血行不良の原因の1つです。

臓器の機能低下は、顔にも肌荒れや顔色が悪くなるといった不調をもたらします。

臓器と肌の関係

  • 肝臓・・・肌荒れ、黄ぐすみ
  • 腎臓・・・むくみ
  • 胃・・・口まわりの肌荒れ
  • ホルモン関係・・・シミ、フェイスラインの肌荒れ

内的要因~ホルモン~

加齢によって若さを保つ2つのホルモンが減少することも老化の原因の1つです。

  • 卵胞ホルモン(エストロゲン)・・・卵巣がら分泌され、コラーゲンを増やし肌の水分を保持→30代から徐々に減少
  • 成長ホルモン・・・脳下垂体から分泌され組織の修復をする→睡眠時に分泌

精神的要因

ストレスも肌の老化に大きく影響を及ぼします。

人間の体には、恒常性(ホメオスタシス)という健康を維持するための力が備わっていますが、ストレスにより「内分泌系」「神経系」「免疫系」のバランスが崩れると恒常性がうまく働かなくなり疲労が続き、病気を発症してしまいます。

ストレスを引き起こすストレッサー

  • 物理的ストレス・・・騒音や暑さ、寒さ
  • 科学的ストレス・・・においなど
  • 生物学的ストレス・・・細菌、ウイルス
  • 社会的ストレス・・・人間関係や経済的な悩みなど

~【内分泌系】の影響~

副腎皮質刺激ホルモン、卵胞ホルモン、黄体ホルモンはメラニンの産生を促しシミができるといわれています。

~【神経系】の影響~

ストレスを受けることで、交感神経が優位の状態が続き体調不良としてあらわれます。

~【免疫系】の影響~

交感神経が優位の状態が続くと炎症しやすい状態になり、副交感神経が優位の状態が続くとアレルギー症状がでやすくなると言われています。