肌について学ぼう②~皮膚の付属器官と機能~
皮膚には皮脂腺や汗腺などの付属器官があります。また、外界の刺激から保護するだけでなく体を守るための機能が備わっています。
皮膚の付属器官
付属器官は主に真皮層に位置しています。
毛
立毛筋(起毛筋)
毛に付随した筋肉で、寒いときやぞっとしたときに収縮して鳥肌をたて体温調節をしています。
毛幹
皮膚の外側に出ている毛の部分を指します。
毛根
皮膚の内部に入っている毛の部分を指します。
毛包
毛穴の奥にある毛根を包む袋状の上皮組織。
毛乳頭
毛の発生や成長の根源となる部分で、毛細血管から栄養を取り込み隣接している毛母細胞に送っています。
毛母細胞
細胞分裂を繰り返し毛を成長させています。
汗腺
汗を分泌している汗腺には、エクリン腺とアポクリン腺があります。
エクリン腺
真皮内に独立している汗腺で、唇を除きほぼ全身に分布しています。成分は99%が水分、その他塩分や尿素、乳酸でほぼ無臭で弱酸性です。
アポクリン腺
毛包に付属している汗腺で、わきの下などに多く分布しています。アポクリン腺からでる汗は本来無臭ですが、含まれているたんぱく質が皮膚の細菌によって分解され特有のにおいを発生させます。
皮脂腺
皮脂腺
毛包についているため毛のあるところに分布しています。手のひらや足の裏には毛孔がないため皮脂腺も存在していません。
皮膚の機能
皮膚は暑さや寒さに対応して体温調整をしたり、冷たさを感じたり6つの作用を担っています。
①知覚作用
温覚・冷覚・触覚(圧覚)・痛覚・かゆみなどの感覚をとらえます。痛覚が最も敏感で温覚が最も鈍いのが特徴です。
②吸収作用
皮膚からの吸収経路は角質間を通るもの、皮脂腺から吸収されるものがあります。
➂分泌排泄作用
皮脂と汗を分泌する作用です。
④保護作用
病原菌や化学物質が皮膚から体内へ入りこむのを防いだり、外部からの刺激をやわらげています。
⑤体温調節作用
暑いときは汗を発汗させ、寒いときは立毛筋を収縮させ体温の調節を行っています。
⑥表現作用
顔が青くなったり、赤くなったりするのは毛細血管の収縮や弛緩によるもので、精神状態が肌にあらわれる作用です。